2015年12月に事業者はストレスチェックの実施・報告が義務化されました。
「何となくしか分かっていない」
「ストレスチェックってやっても意味がない」
「前任から引継ぎ受けた通りにやっているだけ」
施行から5年経ちますが、このようにお考えの方も多いのではないですか?
本記事はストレスチェックの基本から新常識まで全てを網羅した最新版です!
たった10分で読めちゃいますので、後回しにせず今すぐ読んじゃいましょう。
ストレスチェック制度の背景とは?
過労自殺の労災認定に端を発し、諸外国と比較した際の自殺率の高さ、働き盛りである30~50代の自殺の多さ、精神障害等による労災認定件数の増加傾向などがあったので、政府は総合的なメンタルヘルス対策を促進させることために、ストレスチェック制度の施行を行った背景があります。
ストレスチェック制度の目的とは?
ストレスチェックは「メンタルヘルス不調の未然防止」を目的とした手段の一つです。
具体的には、”適切な”ストレスチェックにより以下の3つを得ることができます。
① 労働者が自身のストレス状態をいち早く気付けること(一次予防)
② 労働者へのセルフケア等のメンタルヘルスケアの促進(一次予防・二次予防)
③ 職場環境改善による働きやすい職場づくりの促進(一次予防)
ただし、あくまで適切な方法・スピード・対応ができた場合に限ります。
つまり、冒頭のようなお考えをお持ちの方々は、
適切に実施できているようで実施できていないという可能性があります。
ストレスチェック制度の3つの義務
①ストレスチェック実施の義務
”労働者50名以上の事業場”は年1回の実施が義務化されています。
<義務化の対象範囲である”労働者50名以上の事業場”とは?>
まず労働者には”正社員・派遣社員・契約社員・パート”が含まれます。
事業場において労働者が50名以上かどうか判断する際に、派遣社員も労働者としてカウントされますのでご注意ください。ストレスチェックは受検時とその1ヵ月前までの状態を表すとされているため、派遣社員のストレスチェックは「派遣先企業で実施することが好ましい」とされていますが、派遣社員は派遣元企業と雇用契約を結んでいるため、派遣元で実施するケースもあるのが実情です。
契約社員・パート社員の場合は「雇用期間が1年以上の予定 + 1週間の労働時間が正社員の4分の3以上」を満たす方なので、契約期間が1年で満了かつ更新予定がない方や週30時間未満の労働時間の場合は対象に含まない可能性があります。
取締役などの役員は原則対象ではありませんが「工場長・店長」など現場責任者を兼任しており、労働者の地位を持っている場合は、ストレスチェックの対象に含む可能性があるので委託先に相談してみましょう。
事業場というのは会社単位ではなく、「〇〇本社」「〇〇支社」「〇〇店」「〇〇工場」などような所属勤務地毎を指しています。本社が50名未満だからと安心はしないでください。例えば、大阪本社は20名でも、東京営業所が50名以上の場合は、東京営業所のみ義務化の対象となります。
②医師による面接指導実施の義務
ストレスチェック結果が「高ストレス者」に選定されるなど、一定の要件に該当し、労働者から面接指導の申出があった場合、事業者は”医師による面接指導を実施する義務”があります。事業者は医師の意見を聴取した上で、必要な場合は”勤務時間の制限”や”就業場所の変更”など就業上の措置を講じなければなりません。
③所轄労働基準監督署へ報告書提出の義務
ストレスチェック実施後には「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書」という”厚生労働省所定のフォーマット”に記載し、”事業場毎に所轄労働基準監督署へ提出すること”が義務付けられています。
ストレスチェックの努力義務に該当するものは?
・50名未満の事業場へのストレスチェック実施
・ストレスチェック結果の集団分析+職場改善
事業者の負担を考えて、上記2点は一旦”努力義務”とされています。
努力義務ですが、万が一、労災事故が発生した場合に、ストレスチェックの集団分析や職場改善を実施していれば防げたと判断されると”使用者責任”を問われる可能性があります。
リスクマネジメントの観点はもちろんのこと、年に1回でも組織や人を見直す機会として、集団分析・職場改善までしっかり行いましょう。
ちなみに弊社ではストレスチェック時の集団分析および職場改善プログラム導入をお勧めしています。
職場改善までできなくても、集団分析を行うだけで会社全体の課題が浮かび上がってくることが多くありますので、経営や事業運営のヒントにもなってきます。
お困りの企業様は是非お気軽にご相談下さい。